CCA Japan タイマッサージスクール理論講座
日本でタイマッサージは違法な行為なのか?日本におけるタイマッサージに関するの法律を考えてみます。
 
 
13時間目 聞きかじりの知識を持っている人は軽率に、或いはあはき業界の人は確信的に、タイマッサージは日本では違法だと言います。タイマッサージは日本では、マッサージ業としては違法ですが、リラクゼーション業として合法です。それは丁度日本の自衛隊が、憲法9条にてらして、合法であるか違法であるかのような論議です。それは日本のマッサージの法律の成立の背景を深く知ることによって未来思考的に解決できます。
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理論講座
1時間目
タイマッサージ道
2時間目
癒しの瞑想
3時間目
タイマッサージの歴史
4時間目
タイマッサージの分類
5時間目
四大元素理論とタイ伝統医学の基礎
6時間目
10本の主要エネジーライン
7時間目
行列のできるマッサージ
8時間目
タイマッサージの秘訣と独特のリズム
9時間目
タイマッサージの4ポーズ
10時間目
タイマッサージのテクニックと略語
11時間目
タイマッサージの解剖生理学(1)
12時間目
タイマッサージの解剖生理学(2)

13時間目
タイマッサージの法律
14時間目
タイハーブとタイ伝統医学
15時間目
ルーシーダットンとヴィパッサナー瞑想
16時間目
理論テスト

 
タイマッサージの法律
 FTA(自由貿易)協定によるタイ人タイマッサージ師の受け入れ
2005年、タイのタクシン首相と小泉首相の間で、タイと日本のFTA協定(自由貿易協定)が大詰めをむかえ7月にも合意という段階になっていました。
タイのタイマッサージ師たちは色めきだち。
当然ながら、あはき業界、特に視覚障害者の方々が、猛烈に反対しました。
このFTA協定の項目にタイ側からの「タイ人のタイマッサージ師の受け入れ」がもりこまれていたからです。
あはき業界とは、んま、り、ゅうを職業とする業界です。
当時の小泉首相は、それまでカイロプラクティックなどには好意的な意見をもっていたため、、一時あはき業界は絶望的な見通しを示していました。
もともと、あはき業界は、リラクゼーション業にあって、一歩抜け出そうとする動きのあるアメリカから伝わったカイロプラクティックをとりわけ標的にして、反対してきました。
しかしあはき業界には幸いなことに、メインの農業問題などに対するタイ国内の反対勢力や、続くタクシン首相自体の失脚でこの協定は頓挫したままになっています。
マッサージ師は「国家資格」が必要
日本では、マッサージは「治療」を目的とした医業類似行為と考えられているため、マッサージを行なう場合は「国家資格」が必要となります。
つまり、医師以外の者で、あん摩、マッサージもしくは指圧、はりまたはきゅうを業とする者は、それぞれ、あん摩マッサージ指圧師等免許、はり師またはきゅう師免許を取得しなければなりません。
『医師以外の方が、あん摩マッサージ指圧、はり、きゅうう及び柔道整復の施術所等において、あん摩、マッサージ若しくは指圧、はり又はきゅう及び柔道整復を業として行おうとする場合には、あん摩マッサージ師、はり師、きゅう師等に関する法律(昭和22年法律第217号)において、それぞれあん摩マッサージ指圧免許、はり師免許又はきゅう師免許を、柔道整復師法(昭和45年法律第19号)においては、柔道整復師免許を受けなれればならないと規定されており、無免許でこれらの行為を業として行ったものは、同法により処罰の対象となります。』と、厚労省より通達されています。 
これらの資格を取るには、指定の専門学校で3年以上教育を受け、かつそれぞれの国家試験に合格しなければなりません。
あん摩・はり・きゅうの3種の国会試験に合格した者を鍼灸マッサージ師と呼びます。
この国家試験をとるまでの専門学校などの費用は、学費とすべて含めて俗に1資格500万、3セットで1000万と言われています。
つまり日本でマッサージ師になるには、3年の長い時間と莫大な費用がかかります。
マッサージの東大をめざす
かかる費用などはいとわない(親にださせるから)、天才マッサージ師としてその道を極めようとしても、実はかなり難しい現実があります。
はり師ときゅうし師の二種類の免許取得できる専門学校は、どんどん増加しており、一部定員割れをおこしている現状ですが、あん摩マサージ指圧師の免許を取れる専門学校の設立は規制されていて、古い専門学校では定員が少なく競争率は10倍以上の難関です。
視覚障碍者は、盲学校課程で、ほとんどあん摩マッサージ指圧師の免許を取得できるが、健常者がマッサージの国家資格を取得するためには、そのマッサージの東大に入学しなければならないわけです。
つまり、こういう規制をしている日本では、指圧の創設者浪越徳次郎のような天才は、もうあれわれる豊な土壌ではないわけです。
ただ政府は、マッサージの自由な競争と発展というよりは、視覚障害者の職業の保護に立場に立つ規制なので、これ以上の議論は進みそうありません。
鍼灸(2種)タイマッサージ師の登場
私が若いころ、タイに1年に何回も遊びに来る京都の鍼灸師さんがいました。
その人をみて、鍼灸師なら、世界を放浪していけるなあと少し興味を持ったことがあります。
それで、「はりなんか、人の体に刺すの怖くないですか?」と聞いてみたら「いやー、鍼なんかほとんど使わないよ、だいたいお客さんの愚痴を聞きながらマッサージしてんだよ」って言ってました。
今考えると、これは厳密には違法行為ですが、鍼灸師がマッサージを行うのは、行わねければならないのは現状のようです。
CCAへ見学に来たある鍼灸学校の先生は、そういう現状に合わない法律をクリアするために、自分の生徒たちにタイマッサージを習わせようかなあとも言っていました。
つまり、そこで行われているのはマッサージではなく、タイマッサージだという理屈です。
とりあえず業界をざっくりとした業界図 
マッサージ業が法律で規制される中で、まわりを見まわしてみると、タイマッサージは、平気で行われいますし、法律的に罰せられる様子はありません。
とりあえずわかりやすく、ざっくりとマッサージ業界図を作ってみます。
国家資格者は、タイマッサージ師を無資格者と呼びます。
無資格者と呼ばれることで、もともと存在しないはずの「うしろめたさ感」が醸しだされます。
タイ古式マッサージは、日本ではリラクゼーション業ですから施術可能です。
ただ、手技の取得費用をなどを比較してみると、まあ許せるかなって感じです。
あん摩・マッサージ・指圧に来るお客様は男性、リラクゼーションに来るお客様は女性です。
そこに求めれるものは根本的にコンセプトが違っています。
タイマサージは憲法9条における自衛隊と同じ立ち位置である
  なぜ、あはき業界は、タイマッサージなどを目の敵にするのでしょうか。
タイマッサージは、憲法9条における自衛隊と同じ立ち位置にあります。
日本の自衛隊は、誰が見てもあきらかに軍隊ですが、建前は軍隊ではありません。
軍隊であれば、憲法9条に抵触するからです。
この憲法は、敗戦後に占領軍(GHQ)によって、押し付けらたといわれる憲法です。
タイマッサージは、誰が見てもあきらかにマッサージですが、あはき法におけるマッサージではありません。
あはき法とは、あん摩マッサージ師、はり師、きゅう師等に関する法律(昭和22年法律第217号)です。
タイマッサージが、マッサージであれば、この法律に抵触します。
実は、敗戦後、GHQは、あん摩や鍼灸を、非科学的で、不潔、野蛮なものとして廃止しようとしました。
これを業界では、GHQの総司令官マッカーサーにちなんで、「マッカサー旋風」とか「マッカサーショック」と呼びます。
特に、これらの職業が、主に視覚障害者によって行われていて、健常者でも難しいものを視覚障害者にさせているのは野蛮であるというGHQは考えていました。
これは、あはき業界、とりわけ視覚障害者たちの猛抗議の末、一転、廃止をまぬがれ、法律が制定され、国家資格となりました。
業界人たちの努力もさることなが、廃止を免れたのは、実は、あのヘレンケラー女史の助言によるところが一番大きいのです。
この助言により、GHQの廃止の根拠が消失したのです。
それは「障害者の福祉は障害者の自立から始まる」という助言です。
ヘレンケラーは、アメリカ人で、1歳半で高熱により、視覚、聴覚、ことばを失いました。
盲学校から派遣された家庭教師サリヴァン先生の指導によって、ことばを取り戻し、生涯障害者の福祉のために尽力した伝説の女性です。
日本に戦前訪れて、「桜をみる会」で昭和天皇に会われています。
また戦後マッカサーの依頼で日本に訪れています。
日本と秋田犬を愛した奇跡の人です。
つまり、この法律の真相は、何よりも障害者の自立のためのものであり、その背景を理解し、タイマッサージを目指す人たちは、ヘレンケケラー女史に敬意を表し、あはき業VSリラクゼーション業の対立に加担することな、むしろ障害者に対して思いやりをもって接し、積極的に応援し、領域を侵さず、リラクゼーションのタイマッサージとして、棲み分けして行くことが大切です。
タイでは視覚障害者のタイマッサージとの棲み分けは出来ていて、一般の軽いリラクゼーションのマッサージと、ヒーリングの強いマッサージという感じになっています。
無資格マッサージのケーススタディ (たて前として)
前に説明した通り、あはき法に一義は障害者の職業の保護であって、法律に抵触する、無資格者のマサージの定義などは、たて前であって、この侃々諤々とした議論をつっこんで行っても無意味です。
ただ、たて前としては知ってる必要があります。
あとは、要するに資格が問題ではなく、健康に被害を及ぼさないかどうかで、現実問題として事故を起こさないことです。 
それはもちろん有資格者にもあてはまることです。
 東京新聞 2004年1月14日の記事より
健康ブームに乗ってさまざまな無資格マッサージが横行する中、神奈川県警生活経済課厚木署などは平成16年1月14日までに、無資格マッサージ師を派遣した「エーワン」(東京都新宿区)会長、鈴木輝雄容疑者(51)らを逮捕した。
「マッサージ」の定義が法律上、明記されておらず、まかり通る違法営業の摘発は難しい中。
県警は「無資格マッサージによる施術は危険である上、苦労して免許資格を取った人達の職域を侵す行為」と指摘。 
業界関係者は「無資格施術〔足ツボ、エステ、整体、カイロプラクティク等〕への警鐘。
抑止効果が期待できる」と摘発は遅過ぎたが歓迎している。 
 調べでは、両容疑者は平成15年3月、横浜市瀬谷区の健康センター内に、県知事に無届けでマッサージ施術所を開設。
6月15日~7月26日の間、無資格のマッサージ師4人を使い13回にわたり、同区内の美容師女性(54)ら9人にマッサージさせた疑い。
4人のうち中国人男女2人が11月、同容疑で逮捕され、罰金刑を受けている。同社所属のマッサージ師700人のうち522人は無資格とみられる。
調べに対し、輝雄容疑者は「うちはボディーケアで、マッサージではない」と容疑を否認しているという。 マッサージなど「医療類似行為」には、国家資格が必要。
施術所は県知事へ届け出義務がある。
しかし無資格・無届け業者が「うちは従来のマッサージと違う」と、行政指導や捜査を逃れるのは常とう手段だとされる。 
だが今回、県警の照会に対し厚生労働省は、マッサージの定義を「体重をかけ、対象者が痛みを感じる強さで行う行為」と回答。 
これを受け県警は「エーワン」摘発に踏み切った。 同社が雇っていたマッサージ師約700人中、無資格者は522人。
採用後、同容疑者が設けた養成所で1ヶ月ほど研修を受けただけという。 
業界有資格者は「ずっと歯がゆい思いをしてきた。行政は積極的な指導をしなかった。
今回の摘発は画期的で、抑止効果が期待できる。無資格の施術はトラブルにもなる」。
全日本鍼灸マッサージ師会の杉田久雄会長は憤る。 
同社は1981年に設立され、首都圏を中心に全国十二都府県の健康ランドなどに施術所54カ所を開設。ホテルなどにも派遣し、年商は24億円で業界最大手という。
2002年1月より03年6月の間に得た不法利益は、6億9900万円に上るとみられる。
神奈川県警が押収した「エーワン」の台帳には「ろっ骨にひびが入った」「首が動かなくなった」など二十四件の苦情が記録されていた。
県医療整備課は「保健所が指導に出向いても『これはマッサージではない』と言われれば、どうしようもなかった」と話す。 
平成15年8月、各保健所や県旅館生活衛生同業組合に、旅館へ派遣されてくるマッサージ師の資格を確認するよう求める依頼文を出していたという。
近年オフィス街や温泉施設などを中心にタイマッサージをはじめとして「リラクゼーション」分野のマッサージ店が急増しています。
また、整体やカイロプラクティック、エステ、タイマッサージなど、それらの業界が切磋琢磨し、無視できないような発展をとげているのが現状です。
そしてこのリラクゼーションの分野のマッサージが、国家資格を持つマッサージの分野をおびやかしつつあります。
そのために日本のマッサージ業界は、按摩マッサージ指圧等の免許制度の崩壊と視覚障害者の職を失わせるものとして強く激く反発しています。
あはき法ができた経緯は、戦後日本を管理したアメリカのGHQが東洋医学を「非科学的、不潔」として禁止しよう時に、業界や視覚障害者の抗議で妥協案としてできた法律です。 
厚生労働委員会における答弁による考察 
 平成16年11月04日 004/004] 161 - 参 - 厚生労働委員会 - 2号 社会保障及び労働問題等に関する調査 無資格者対策
質問人:足立信也 民主党参議院議員
回答者:岩尾總一郎 厚生労働省医政局長 西博義 厚生労働副大臣
Q 
次に、続きまして、あんま、マッサージ、指圧、医業類似行為についてです。
あんま、マッサージ、指圧、はり、きゅう、柔道整復、カイロプラクティック、整体や足裏マッサージなどの医療の周辺産業です。
なぜ今回このような質問をするかといいますと、一つには、医療の現場で、病院を受診する前にこういった業者に行き、麻痺や神経障害、骨折を起こす患者さんがいるということです。
もう一つは、私の地元の県議会の方から、医業に類似する行為について明確な基準がないので取り締まれないという要望があるからです。
まず、医業に類似する行為について、判例や厚生労働省の通知に基づいて私が解釈していることを述べます。
医業に類似する行為には、法で認められた医業類似行為と、法に規定されていない医業類似行為があって、法で認められた医業類似行為には、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律、略称があはき法です、に基づくあん摩マッサージ指圧、はり、きゅうと柔道整復師法に基づく柔道整復があります。
もう一つ次に、法に規定されない医業類似行為については、人の健康に害を及ぼすおそれのある業務に限局して禁止処罰の対象になる、このように解釈しておるんですが、これでよろしいでしょうか。 
 A
よろしいかと思います。
あはき法は、一条において、医師以外の者で、あん摩、マッサージ若しくは指圧、はり又はきゅうを業とする者は、それぞれの免許を受けなきゃならないと規定しておりますし、柔道整復師法は十五条において、医師である場合を除き、柔整師でなければ、業としてその柔整を行っちゃならないということを規定しております。
それから、今のあん摩マッサージ指圧、はり、きゅう及び柔整以外の医業類似行為についても、あはき法の十二条では禁止されておりますが、ここで禁止されているのは、先生おっしゃったように、人の健康に害を及ぼすおそれのある行為に限られているということでございます。
 Q 
今の答弁で、あはき法の第十二条に、何人も、あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう以外、医業類似行為を業としてはならないという条文があるけれども、最高裁の判決で、人の健康に害を及ぼすおそれがない場合は職業選択の自由があるのでよろしいということだと思います。
それでよろしいかどうか。
あわせて、あはき法違反者、先ほどの法の違反者に対して実際にどのように規制を行っているか、その点について教えてください。
 A 
昭和三十五年の一月に最高裁の判決が出て、この十二条の禁止というのは、人の健康に害を及ぼすおそれのある行為ということで限られました。        
このような行為が行われている場合、それから取締りでございますが、免許を有さない者があんま、マッサージ、指圧を行っている、このような場合に、各都道府県による衛生規制の観点の指導が行われております。
また、警察による捜査、取締りの対象となっているということでございます。
私ども、各都道府県に対しまして、この医業類似行為に対する取扱い等の通知の発出、それから全国の主管課長会議を通じましてこのあはき法違反等に関する周知徹底を図っているところでございます。
Q 
あはき業、略称のですね、あはき業以外の医業類似行為に関しては、カイロプラクティックについてのみ平成三年に規制事項が定められて医事課長通知という形で出ています。
基本的に、それ以外は基準も規制もない状態かと思います。
最高裁判決で、健康に害を及ぼすおそれがある場合のみ禁止となったため、行政側も対応に苦慮している状態です。
害を及ぼすかどうかというものは結果でしか分からないわけで、つまり、医業に類似する行為をまず業として黙認する、人体に害があったら規制する。
職業の自由としてはそれでいいかもしれませんが、しかし、無資格の医業類似行為で被害を被った患者さんや、きちんと三年間勉強して国家試験にも合格して、業を営んでいるあはき業の方たちは実際に圧迫を受けているわけです。
特に、私が今日問題として取り上げたいのは、足裏マッサージとか何々式マッサージという業種です。
ある無資格者が行っている行為があはき業なのか、それともあはき業以外の医業類似行為なのか、どのように区別しているのか、その基準を教えてください。 
A
もむとか押す、たたく、摩擦するという行為をやるわけですが、どの程度の力を加えるとか、それから置かれているその患者さんの状態にも違うかと思いますが、実は、このあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師に関する法律では、このあん摩マッサージ指圧業等の定義が置かれておりません。
何が法律に規定されたあん摩マッサージ指圧業なのであるか、またそれ以外の医業類似行為なのかというのは、現在まではそれぞれ個々のケースに応じて、社会通念に照らして総合的に判断してきたところでございます。
御指摘の足裏マッサージなど、マッサージと称することにより、一般人がそこであはき法に言うマッサージ業が行われているものと誤認するおそれがある場合は好ましくないということで、その旨の指導を行うように都道府県にもお願いしてございます。
しかし、御指摘の業種が無資格のあはき業に該当するか否かについては、実際に行われている行為の個々具体的な態様により判断されているところでございまして、業態の名称だけで取締りの対象にするというのは困難であるというふうに考えております。
 
 Q 
今、正に基準はないということをおっしゃったわけですね。確かに私は難しいとは思うんですが、このことで地方自治体も非常に頭を悩ませているわけですし、資格を持っている方々からも強い批判が確かにあるんですね。
で、実際上、全く資格がなくて無資格の方が、自分の行っているのはマッサージではないと、何とか式マッサージなんだから法律上はあはき業ではないんだと主張してしまえば、これもう取締りできないわけですね。
先ほどおっしゃったのは、多分昭和三十八年の厚生省医務局長の東京都知事あての回答だと思いますが、確かにそこには、あんま、マッサージとは、病的状態の除去、疲労の回復という効果を目的として行われる、もむ、押す、たたく、摩擦するなどの行為の総称であるとされています。
だとしたら、足裏マッサージや何々式マッサージという業種は無資格であはき業を行っていると認識できるんじゃないですか。その点についてはいかがでしょう。
 A 
先ほども申し上げましたけれども、そういう何々マッサージ、マッサージという言葉自体はもう一般名詞化しているかと思いますが、そういうようなものに足裏とか何か付けるということで、いわゆる業としてやっているようなものなのか、それともいわゆるあはき業に該当するのか否かというのが、私どもの解釈としては、そこで行われている個々の具体的な行為というものを見ない限り判断できないということで、単なる名前だけではなかなか取り締まれないということを申し上げさせていただきました。
Q 
今のお答えで、多分整理して、こちらが整理しないとなかなかどのようにしていっていいのか難しいというニュアンスの回答だと私は思いますので、言わせていただきます。
専門の学校に三年間通って卒業して国家試験も通っていると、そういう有資格者と全くの者が同じように併存している現状では、資格制度そのものが形骸化していると言ってもいいと思うんですね。
我々民主党は、努力した人が報われる社会を作りたいと、そのように思っています。あはき業の方は多くが視覚障害者です。
相当に努力をしてその資格を取った方々だと私は思います。
あはき業とあはき業以外の医業類似行為を区別する分かりやすい基準を作成して広く国民に伝える、であはき業を行う者を厳しく取り締まり、有資格者の保護をすべきです。
この点が、先ほどどのような方策がいいのか分からないという感じの答弁だったと思います。でも、このことは、専門的知識、技能を有する資格者によって適切、安全なサービスを受けることができるという国民の利益でもあるわけです。その利益を保護することでもあります。
まず第一に、無資格者が国民にあたかも資格を持っているように誤認させることを規制しなければいけない。
その手段、方法として、私はマッサージ師ですと名のることや、自分が仕事をしているところが何々マッサージ、あるいは何々マッサージ所、何々マッサージ施設と勝手に言うことも、マッサージを私はやっています、成人病が治りますよ、生活習慣病を治しますよ、そういう広告をすることもすべて自由なんですね、資格がない人が。
厚生労働省は、今年の三月、先ほど出ました全国課長会議で、国家資格を持つあはき業者によるあんま、マッサージ、指圧が行われていないのに、マッサージと広告することは看過できないので指導するようにと発言されております。
また、資格を持ったあはき業者の広告規制を緩和することについて、もっと広告してもいいようにするために、昨年七月の衆議院の厚生労働委員会で、パブリックコメントを出しているところだと答弁されております。その後、どうなっておりますでしょうか。 
A 
このあはきに関する法律の第七条及びこの規定で広告できる事項が制限されているということで、昨今、医療においても広告規制の緩和ですとか、関係団体からも広告規制の緩和についての要望があったということを踏まえまして、昨年の六月に、このあん摩マッサージ指圧業、それから柔道整復業等の広告可能事業の追加についてパブリックコメントを実施いたしました。
一般からの御意見というのは昨年の七月に締め切ったんですが、残念ながら広告規制の緩和についてはなお慎重であるべきという趣旨の御意見が多数寄せられたものですから、今日まで、そのような意見があるということで、どのように対応すべきかということを慎重に検討している状況でございます。
Q 
パブリックコメント、それは業者の方からの回答がということで理解してよろしいんですか。
A 
インターネットの回答でございますので、回答する際には相手に対して職種までを求めていなかったかと思いますが、電子メール、それからファクシミリ、郵送ということで、あっ、済みません、意見の提出は、個人の場合は住所、氏名、年齢、職業、法人の場合は法人名、所在地ということでございますので、いろいろな方から来ていると思いますが、ちょっと今詳細には内容は把握しておりません。 
Q 
自分の行っている業の広告規制をどうしたらいいかという問題を、その業者の方々に特に集中的には出していないということですね。 
A 
一応、パブリックコメントということで通常の手続でやっておりますので、特定の団体の意見ということではございません。
 Q 
慎重であるべきだという意見が多かったと。
これは、その母体がどういうことにあるか、また、この業者の方々が先ほど言いましたように視覚障害者が半分近くを占めて、全体としては非常に少ない、それに対してパブリックコメントが慎重であるべきだというのは、ある意味予測された回答といいますか、そのような気がします。
それよりも、今の問題はあはき業者が広告できる内容を広げたらどうかということなんですが、私が言っているのは、それよりも必要なことは、無資格者への広告内容の規制だと思うんですね。
そのことで、昨年十一月に医政局の医事課長から、痛みを感じるほどの強さで人体に危害を及ぼす、又はおそれのある行為があはき業だと、そのように誤解されるような、今までの解釈とは違う解釈の意味の回答がされております。また、今年三月には、先ほど言いました、あんま、マッサージ、指圧が行われていないのにマッサージと広告することは看過できないと、こういう、基準が行ったり来たりなんですね。
ですから、実際に地方の方でも取締りができないということになっているんだと思います。
現実は、足裏マッサージや何々式マッサージという看板は乱立しております。
まず行うべきこと。
繰り返しになりますが、あはき業の定義を明確にすること、国家資格を持ったこの独占業務を保護すること、無資格者があたかも国家資格を持ってマッサージを行っていると国民が誤認しないようにすることです。
そのためには、先ほども言いました、無資格者が資格の名称を勝手に使うことは禁止しなきゃいけない、それから場所も何々マッサージ所とかいう名称を使うことはやはり禁止しなければいけないと思います。
そして、そのようなマッサージ師という名前や場所の名称を禁止しても、私はやっていますよと、マッサージをやっています、ちゃんと治していますよということを言っては何の意味がないわけですから、独占業務であるあんま、マッサージ、指圧を無資格者が行う旨の表示を行う、その表示を行うことそのものも禁止しなければいけないと私は思います。
繰り返しになりますけれども、これはやはり国民の利益を保護することになると。専門的知識、技能を有する資格者による適切、安全なサービスということなんですね。
私が今順番を追って挙げましたが、そのような規制、あるいはこれは立法というふうになっていくかもしれませんが、国家資格を持った独占業務を保護すること、この考え方について大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
A(厚生労働副大臣)
先ほどからの議論のまとめのような形の御答弁になるかと思いますが、お答えを申し上げたいと思います。
あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律、いわゆるあはき法第一条においては、医師以外の者で、あんま、マッサージ若しくは指圧、はり又はきゅうを業としようとする者は、あん摩マッサージ指圧師免許、はり師免許又はきゅう師免許を受けなければならないと、これが規定をされております。
あはき法上、これらの定義を定める規定はないというふうに先ほど局長からも答弁申し上げましたが、特定の、もむだとかたたく等の行為があはき法第一条に規定するあんま、マッサージ又は指圧に該当するか否かということにつきましては、当該行為の具体的な態様から総合的に判断されるべきものであるために、一般的にそれを類型化したり、また定義を明確にとことん突き詰めるということは大変困難であるというふうに考えております。
無資格者についての御指摘の点につきましては、マッサージという既に普及した、言わば一般名詞の使用を特定の資格だけに許すということについての逆に影響があるのではないか。また、もむ、たたくなどの行為にあっても、人体に危害のない範囲であれば法律違反とはならない、これも先ほど判例がございましたが、そのような一般的な業務を行うことの表示を禁止することが合理的であるんだろうかというような点を十分に今後考慮していく必要があると、こういうように考えております。 
 Q 
まとめられてもちょっと困るようなところがあるんですが、一つ今お伺いした中で、今までの通知、判例の中で、人体に被害というものの中に痛みを伴うようなというのがございまして、今挙げられた無資格者が行っている行為は大体痛みがあるんですね。
これは今までの解釈では通用しない部分があるということを、一つ抜けているんではないかということを感じましたし、やはり国家資格ですから、国家資格を持って業を行う方が、無資格者がやっているのと似たようなことをやられていながらも、簡単に言い逃れできると。
このことは、非常に失礼な言い方かもしれませんが、弱い立場の人で視覚障害者が多い業種、そのことをやっぱり守っていかなければいけないんではないかと。
その点に関しては、国家資格を持った独占業務を保護するという観点では先ほどお答えの中に入っていなかったと思います。
その二点について、更にお答えください。
 A 
先生御指摘のように、このあはき業は、業務は独占しておりますけれども名称は独占しておりませんし、それから定義もございません。
こういう法律の中で、私どもが、そのときの局長通知ですとかそれから最高裁の判例などを踏まえて、現在まで最大限、このような免許を持っている方々の業を法律上保護しながら様々な解釈なり運用をしてきたということでございますので、先生おっしゃいますように、やはり視覚障害者にとっての最大の職場だろうと思いますので、今後そのような先生の御意見を踏まえながら、この先どのようにしたら免許取得者が保護されるのか、無資格者との区別ができるのかということは、もう少し検討させていただければというふうに思っております。
Q 
分かりました。
私は、もっと積極的に、あはき業以外の医業類似行為についても、その効果、副作用あるいは危険性などについてちゃんと評価をして、得られた情報を関係者、国民に広く伝える、業者への指導監督をすべきだと私は思います。
国民の生命と健康を守り、資格制度の形骸化を防ぐためにも、以上のような対策を早急に積極的にやっていただきたいと、そのように思います。
※厚生労働委員会とは、国会のの常任委員会の一つで、医療・社会福祉・社会保障・雇用・失業等を議論する委員会です。 
風俗法・入管法とタイマッサージのケースステディ
タイマッサージに関係する人は、上述の「あはき法」以外に、罰せらる可能性がある法律としては、風営法と、入管法がありますの覚えておきましょう。
ソース:News i - TBS (02日11:26) 風営法違反容疑、マッサージ店摘発
個室マッサージ店で違法に性的なサービスを行っていたとして、1日夜から2日未明にかけ、
神奈川県内のマッサージ店10店舗が一斉に摘発され、経営者ら14人が逮捕されました。
風営法違反などの疑いで逮捕されたのは、川崎市宮前区の個室マッサージ店、リラクゼーション爽の経営者、坂田美穂容疑者(35)と、 従業員で中国人の楊愛芳容疑者(32)、そしてリラクゼーション「姉妹」の店長で中国人の金英実容疑者(38)ら14人です。
警察によりますと、坂田容疑者らは川崎市内の風俗営業が禁止されている地域で、 男性客に対し個室で性的なサービスを行っていた疑いがもたれています。
「初めてのお客さんには、こっちの(メニュー)を出すわけでしょ」(捜査員)
「うん」(金容疑者)
「表は、ドリンクのメニューになってるけど、内緒でこういうサービスがありますってことでしょ」(捜査員)
坂田容疑者と金容疑者が経営する2つの店舗では、月にあわせて600万円の売上げがあったということで、
警察は店の経営実態について調べています。
  nikkansports.com [2010年9月2日12時48分] 個室マッサージ店10店摘発 男女24人逮捕
神奈川県警国際組織犯罪取締本部は2日までに、横浜、川崎両市内などで違法営業をしたとして、
個室マッサージ店10店を一斉摘発し、風営法違反(禁止地域内営業)の疑い
中国人を含む男女22人を逮捕、入管難民法違反(資格外活動)容疑で女2人を逮捕した。
横浜市で11月に開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議に向けた
取り締まりの一環。風評などを端緒に、捜査員約140人が摘発にあたり、1日逮捕した。
風営法違反容疑で逮捕されたのは、横浜市の「リラクゼーション夢見心地」経営者で中国籍の施漢娟容疑者(35)ら。
入管難民法違反容疑の逮捕者は個室マッサージ店従業員で中国籍の朱浩容疑者(23)ら。(共同)
風俗営業のを営む場合は、公安委員会(警察)の許可が必要になります。
また、性風俗特殊営業、深夜酒類提供飲食店を営む場合は、公安委員会の届出が義務づけられています

風俗営業の形態
接待飲食等営業 1号営業 キャバレー キャバレーその他設備を設けて客にダンスをさせ、かつ、客の接
待をして客に飲食させる営業
2号営業 料理店、社
交飲食店
待合、料理店、カフェーその他設備を設けて客の接待をして客に
遊興又は飲食をさせる営業(1号該当除く)
3号営業 ダンス飲食店 ナイトクラブその他設備を設けて客にダンスをさせ、かつ、客に
飲食させる営業
4号営業 ダンスホー
ル等
ダンスホール、その他設備を設けて客にダンスをさせる営業
(ダンス教授者がダンスを教授する場合のみ客にダンスをさ
せる営業を除く)
5号営業 低照度飲
食店
喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、
客席における照度を10ルクス以下として営むもの
6号営業 区画席飲
食店
喫茶店、バー、その他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、
他から見通すことが困難であり、かつ、その広さが5平方メート
ル以下である客席を設けて営むもの
遊技場営業 7号営業 マージャン店、
パチンコ店等
マージャン店、パチンコ店その他設備を設けて客に射幸心をそ
そるそそれのある遊技をさせる営業
8号営業 ゲームセン
ター等
スロットマシン、テレビゲーム機その他の遊技設備で本来の
用途以外の用途として射幸心をそそるおそれのある遊技に用
いることができるものを備える設備その他これに類する区画さ
れた施設において当該遊技設備により客に遊技をさせる営業

性風俗特殊営業
店舗型
1号営業
ソープランド 浴場業の施設として個室を設け、当該個室において異性の客に接
触する役務を提供する営業
2号営業
個室型ファ
ッションヘ
ルス
個室を設け、当該個室において異性の客の性的好奇心に応じてその客に接触する役務を提供する営業
3号営業
ストリップ、
ヌードスタ
ジオ等
性的好奇心をそそるため衣服を脱いだ人の姿態を見せる興行その他の善良の風俗又は少年の健全な育成に与える影響が著しい興行の用に供する興行場として政令で定めるものを経営する営業
4号営業
モーテル、
ラブホテル
専ら、異性を同伴する客の宿泊(休憩を含む)の用に供する政令で定める施設を設け、当該施設を当該宿泊に利用させる営業
5号営業
アダルトシ
ョップ、大
人のおもち
ゃ屋等
店舗を設けて、性的好奇心をそそる写真、ビデオテープその他の物品で政令で定めるものを販売し、又は貸し付ける営業
6号営業
政令で定め
るもの
前各号に掲げるものほか、(店舗を設けて営む性風俗に関する営業で、)善良の風俗、清浄な風俗環境又は少年の健全な育成に与える影響が著しい営業として政令で定めるもの
無店舗型
1号営業
派遣型ファ
ッションヘ
ルス等
人の住居又は宿泊の用に供する施設において異性の客の性的好奇心に応じてその客に接触する役務を提供する営業で、当該役務を、その客の依頼を受けて派遣することにより営むもの
2号営業
アダルトビ
デオ等通
信販売
電話その他の方法による客の依頼を受けて、専ら、写真、ビデオテープその他の物品で政令で定めるものを販売し、又は貸し付ける営業で当該物品を配達し、又は配達させることにより営むもの
映像送信
インターネット型、ダ
イヤルQ2型、パソコン
通信型
性的好奇心をそそるため性的な行為を表す場面又は衣服を脱いだ人の姿態の映像を見せる営業で、電器通信設備を設けてその客に当該映像を伝達すること(放送又は有線放送に該当するものを除
く)

深夜酒類提供飲食店
スナック、酒場等、客に酒類を提供して営む飲食店営業を深夜(午前0時~日の出時まで) において営むもの(営業の常態として通常主食と認められる食事を提供して営むものを除く) 
タイマッサージは、個人事業であれば、特に営業許可は必要とされず、税務署に開業届け(開業後1ヶ月以内)を出すだけで今日からでも始められます。
タイマッサージのサロンを普通にしている場合は現在のところ何の問題もないでしょう。
問題が出てくるのは、外国人、この場合は多くはタイ人を雇用した場合です。
サロンを始めるにあたり、良くタイ人を先生として、または施術者として連れて行きたいとう言う相談を受けます。
FTA協定のことをあげましたが、現在のところ難しい問題です。
日本の入国管理局は、今のところタイマッサージをタイ人の「技能」として認めていません。
ですから、タイ人を雇用する場合は、日本人と結婚しているタイ人か、永住者に限られます。
その他のビザの場合は資格外活動とし、出入国管理法及び難民認定法(入管法)により摘発され、本人はタイに強制送還になります。
本人のダメージも大きいものですが、経営者は外国人の不法就労活動を助長した者として、入管法第73条の2第1項の罪により、3年以下の懲役又は300万円以下の厳罰に処せられます。
一般的にタイ人を先生やタイマッサージ師として日本へ連れて行きたい、タイ人を雇用したいと気軽に考えてるのに対して、日本の法律の罰則の大きさとにはかなりの温度差がありますから経営者は注意が必要です。
公安委員会(警察)は、外国人が出入りするだけで、先ず目をつけると言うことです。
外国人との関連で、警察が目をつけると言うことは、入管難民法の他に、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)に抵触するかどうかということです。
タイマッサージサロンが、風営法のサロンに該当しやすいのは、「性風俗特殊営業」として「個室型ファッションヘルス」「派遣型ファッションヘルス等」でしょうか。
経営者が、最近タイで習ってきた「睾丸マッサージ」をやりたい、どうしてもやりたい、それはタイ古来の伝統的マッサージ手法だからとの説得力で・・・。
でも、これは気持良くする「リラクゼーション」なのではなく、タイ伝統の「治療」だからなんて説得は、あきらかに医師法違反になってしまいますね。
その場合、男の施術者の方だったら問題が少ないと思いまが、なんとなく流行らない気もします。
マッサージ業では、「客に対し、性器を接触もしくは視覚可能な状態でのサービス」ができません。
でも、どうしてもやりたいなら、風営法の届出を出した方が無難ですね。
しかし、日本のほとんどの場所は風俗営業禁止区域になっていますので新規に出店する場所はほとんどありません。
上記の摘発の例で、風営違反はほとんど「営業禁止区域での営業」で摘発されている理由でもあります。
また風俗営業のお墨付きをもらうと言う事は、今度はその法律の細かい規定でがんじがらめに拘束され、事実上のまともな営業ができなくなってしまいます。
これが、みんな風営法の許可や届出を出したくない理由でもあるのです。
タイマッサージは、今どこにいて、これからどこに行くのか
先ず、日本の法律が、国家資格のない人のマッサージで行為を禁止していることは前提です。
ではタイマッサージ師は、どうすれば良いのでしょう。
厚生労働省は、「体重をかけ、対象者が痛みを感じる強さで行う行為」をマッサージ行為として禁止しているのです。
タイマッサージは、ロイヤルマッサージ(ラーチャサムナック)とリラクゼーションのマッサージ(チャロイサック)に分かれます。
ロイヤルマッサージは、タイ伝統医学の1分野として、治療のマッサージで、痛みをともなう程強く押すマッサージですから、まさに日本の法律で言うマッサージ行為に該当します。
しかし、一般のマッサージは、「世界で一番気持ち良いマッサージ」と称されるように、日本で言うリラクゼーションの分野に該当します。
つまり、「体重をかけ、対象者が、気持ち良さまたは痛気持ち良さを感じる強さで行う行為」です。
日本人は、勤勉で向上心が強く、せっかくこの分野を選んだ以上、「治療の分野」のマッサージに傾倒していく人たちが多いような気がします。
もともとタイマッサージと医療は同じもので、タイマッサージ師自身も経験的にその治療効果を実感するので、当然の成り行きかもしれません。
しかし、現状ではそれは法律で認められていないことを踏まえて、リラクゼーションの分野で、いかに気持良さ引き出し、それを演出するエンターテイメンターを目指して行くのが妥当ではないでしょうか。
もしかしたら、日本人のその緻密性が、リラクゼーション分野のタイマッサージを、タイ以上に開花させる可能性があるのではないかと思っています。
また昭和35年1月の最高裁の判決をあてはめればで、タイマッサージ師のしてはならないのは、「人の健康に害を及ぼすおそれのある行為」ということに限られます。
タイマッサージ師を職業とすることは、「職業選択の自由」として憲法で保障されているのです。
もむとか押す、たたく、摩擦するという行為
自体が禁止されてるではなく、対象者が痛みを感じる強さでする場合ですが、これも相手があって相対的なものなので、結局は健康に害を及ぼすおそれのある行為として、現実的には結果として「人の健康を害したとき」に「あはき」法違反になると言うことです。
最初にあげた「エーワン」の事件でも、「ろっ骨にひびが入った」「首が動かなくなった」と言うような苦情は、警察にあって、それで警察も動いたものと推測されます。
CCAが、良いマッサージの2大原則として、
①気持良いかどうか
②危険じゃないかどうか
を掲げているのは、こういう理由によるのです。
最後に「マッサージ」などの表記をなどを看板にして良いかについては、それは「国家資格を持つあはき業者によるあんま、マッサージ、指圧が行われていないのに、マッサージと広告することは看過できない」とけん制しつつも、逆に資格を持ったあはき業者の広告規制を緩和しようと言う動きがあって、「何々マッサージ、マッサージという言葉自体はもう一般名詞化しているかと思います」「業態の名称だけで取締りの対象にするというのは困難」「マッサージという既に普及した、言わば一般名詞の使用を特定の資格だけに許すということについての懸念」や「あはき業は業務は独占しておりますけれども名称は独占しておりません」という見解を出しています。
「タイマッサージ」とか「タイ古式マッサージ」は既に一般名詞化しているのです。
お役所が規制を強めるタイのタイマッサージの現状 
タイには、一般的な医者とともに、タイ伝統医学の医者がいます。
タイ伝統医学の医者になるためには、指定校または指定期間でそれぞれ一定期間の教育を受けて試験に合格後、厚生省の国家試験に合格して登録する必要があります。

1.タイ伝統医学医師…3年
2.タイ伝統医学薬剤師…2年
3.タイ伝統医学助産師…1年
4.タイ伝統医学マッサージ師…2年

この資格を得ることによって、タイマッサージ師もタイ国において、「治療のマッサージ」を行うことができます。
タイ伝統医学のタイマッサージ師は、外国人に門戸が開かれているものではなくタイ国籍のある者に限られています。
しいて言えば、これが日本の鍼灸マッサージ師の国家資格に相当します。
また、タイにおいては、リラクゼーションのタイマッサージにも規制があります。
文部省、厚労省、労働省、関連協会などが利権のしのぎをけずっていますが、学校は文部省の許可になります。
スクールは私立の職業学校として、法律に規定する必要書類をそろえて、タイ政府文部省に申請しなければなりません。
文部省は、校長やマネージャーの資格、教師のライセンスを審査し、スクールの校舎を視察します。
申請者は、タイ国民であることが必要です。
またスクールは理論科目の講師として、医師、看護師、弁護士などをスタッフとしてそろえなければなりません。
建物構造は厳格な建築基準にてらした1級建築士の認定、設備は適切な数のトイレ設備、生徒の休憩所、職員室、スタッフの休憩所、飲料水、消防設備、非常灯設備、プロジェクター、TVなどを必要とします。
スクールは複数の生徒の集団学習を想定したものです。
スクールのカリキュラムも同時に文部省に申請します。
カリキュラムは厚生省の基準も満たしたもので、安全と高い質がが求められます。カリキュラムは、無難に過去に認可された学校のものをコピーしますので、その学校の独自の手技などはカットされて、だんだんまるまった技だけ残ります。
当時、バンコクの日系の学校が、認可を取るのに2本かかったという話を聞きました。
お役所の手続き料がそんなにかかると思いませんが、ここはタイです。
CCAでは、最初のエージェントにお金をいくらか支払ったが、ぜんぜんダメでした。
2回目のネージェントは、その専門家がいて、ある程度進みましたが、途中でその専門家が急死ということで、連絡がとれなくなりました。
3回目は協会の大御所に、お金を払って手伝ってもらいましたが、ほとんど動かずトラブルになって終わりました。
4回目に、けっこう良い弁護士に出会って、やっと学校の認可をいただきました。
さて、何本かかたでしょう。
学校の検査当日は10人以上の文部省のお役人がこられましたが、コーヒーを豆からひいて沸かし、輸入品の高価なチョコレートをテーブルにおきました。
また、誠実に職務を遂行していただくため、正面にはラーマ9世の肖像画を飾りました。
チョコレートは誰も手をつけていませんでした。
これは、私の「不純な」不信感の取り越し苦労の懐かしい思い出です。
カリキュラムには理論の授業時間も含まれています。
外国人相手の学校であれば、理論の講義を英語で行うことになりますが、ほとんどの学校はコストと時間的に無理で、省いています。
そして理論科目の講師の医師、看護師、弁護士などには、名義貸し料を払っているのが普通です。
CCAの場合は、その整合性をなんとかつけようと、WEB上の理論講座を始めました。
最近は、厚労省が、リラクゼーションの規制を強めていまして、マッサージ店の経営システムから、タイマッサージ師の資格まで、いろいろ規定しています。
タイ国内で、マッサージ店で働くには、厚労省のカリキュラムの150時間を履修し、登録する必要があります。
CCAでは、学校の文部省認可とともに、厚労省の80時間のカリキュラム認定をいただきました。
その後、これが150時間になり、申請しましたが、先生が大卒でないとダメとか。
マッサージはスポーツのようなものと思っていますが、これはサッカーを本田圭佑(星稜高卒)や中田英寿(韮山高卒)から習えないようなものです。
こういう時、タイではお金で解決するのですが・・・もうやめにしました。
外国人に教える学校は、日程を長くするのは、生徒が滞在時間を長くしなけらばならず、メリットがありません。
タイは、日本以上にタイマッサージいおける事件、事故とかが多いので、こういうお役所主導のものは履修時間増えるばかりです。
公的な学校には、履修時間が増えて、授業料があがるとか、関係者の仕事が増えるとか、いろいろメリットはあると思いますが、それで事件事故が減るように思えません。
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タイハーブとタイ伝統医学
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